WordCamp Tokyo 2017のスタッフでブログ「モンハコ〜問題の8割はコミュニケーション」を主宰しております和田です。
今回のWordCamp Tokyo 2017では、「ブログ飯 個性を収入に変える生き方」の著者で、現在もアフィリエイトや情報発信に関する執筆やコンサルティング、講演活動など多岐にわたる活動をされている染谷昌利さんにご登壇頂きます。
染谷さんと言えば、ブログやアフィリエイトに関する書籍以外にWordPressに関する著書も何冊も書かれていますWordCamp Tokyoには、これからWordPressを利用して、ブログやWebビジネスをはじめようという方もこられると思います。
一方でアフィリエイトやWordPressには、「楽に儲けられる」「怪しい」などといった間違った認識が広まっている部分もあります。あるべきWebビジネスの姿とはどんなものかに伺ってみること致します。
——本日はよろしくお願い致します。私は普段から染谷さんからお世話になることも多いのですが、WordPressコミュニティの中には染谷さんのことを知らない方もいらっしゃると思います。簡単な自己紹介をお願い致します。
染谷:1975年生まれの42歳(後厄)です。文系の大学を卒業後、会社員として3社12年間ふまじめに働いてましたが、3社目の会社がリーマンショックで傾いて早期退職優遇制度を実施したのを機に退職しました。当時はブログからの収益で生活できるようなレベルではなかったんですが、1年間必死に学びながら実践したら、Google AdSenseやアフィリエイトなどのネット広告の収入で会社員と同レベルの収入まで得られるようになりました。
ブログは2002年ぐらいから始めているので、歴としては約15年です。会社を辞めたのは2009年なので、ブログ歴7年目ぐらいです。いま考えると、よく辞めて、しかも生活できるようになったと我ながら思っています。この辺りの詳細は著書「ブログ飯」の1章に書いてありますので、興味がある方は読んでみてください。
現在はブログメディアの運営だけでなく、書籍の執筆やプロデュース、企業や地方自治体のアドバイザー、講演活動もおこなっています。最近ほとんど寄稿できていないのですが、All Aboutアフィリエイトガイドとしても活動しています。
——染谷さんは過去には、WordCamp Tokyoのスタッフされていたこともありますよね。WordPressを利用されるようになったのはいつからでしょうか。
染谷:最初にWord Campのスタッフとしてお手伝いに関わったのは2012年です。ただ・・・実は・・・、この時の僕のメインCMSはMovable Typeでした。なんでWordCampのスタッフになろうかと思ったんですかね。
翌年の2013年はセッションリーダーの役割を務めていましたが、その際にはすでにWordPressをメインとして利用していました。おそらく2012年に仲良くなったWordPress界隈の人たちの圧力があったんだと思います笑。
でもこういうきっかけって大切で、スタッフにならなければいまだにMovable Typeを使っていたかもしれません。あるいは移転する時期がもっと遅かったかもしれません。良いタイミングで切り替えられたからこそ、WordPress関連の書籍の執筆に関わることができたわけです。
2012年当時は1冊も書籍を出してはいませんでしたが、WordPressというCMSが繋いでくれたご縁で多くの書籍に関わることができました。一歩踏み出して、別の環境に身を置いてみる、積極的に関わってみるのは自分の世界を広げる上で本当に重要だと思います。
——今回染谷さんには「なぜ人は怪しい壺を欲しくなってしまうのか」というテーマでお話頂きます。すでにタイトルが怪しいですね(笑)。どのような内容か概要をお話頂いてよろしいでしょうか。
染谷:「この由緒正しい壺、100万円で要りませんか?」
と聞かれて即決する人は居ないでしょう。
でも、その壺になんでも鑑定団の鑑定書が付いていたら、自分の恩人が勧めてくる壺だったら、陶芸家が汗水垂らしてその壺を焼き上げている姿を見たら、彩りや形が自分の好みだったら、アンティークショップの店員が自分好みの顔立ちだったら。
もしかしたら、「ちょっと買ってもいいかな?いや、手に取って見るだけならいいかな?」という気持ちになるかもしれません。
商品やサービスを販売するのに、ワンパンチでノックアウトする必要はありません。ボディブローのように、じわじわと関心度を高め、否定のハードルを超えさせることで、欲しいかもという心理変化を促すことができます。一目惚れなんてミラクルはほとんど起こせません。でも、少しずつポイントを稼ぐことで、判定勝ちに持ち込むことができます。商売は判定勝ちでいいんですよ。
では、心理変化はどのように促せば良いのでしょうか。
・丁寧な情報提供
・信頼度の積み上げ
・価値観の共有
・購入までの心理障壁を超える
・買う理由をいかに提供できるか
・未来の豊かさをイメージさせる
・悩みを解決してあげる(解決できそうな印象をもたせる)
・憧れをもたせる(こんな人になりたい)
・わかりやすい言葉で伝える
これらのポイントをしっかり押さえて情報を伝達することで、人は欲しくもなかった商品に興味を持ち、手元に置きたくなり、財布を開くわけです。心理的障壁を取り除いて、買う理由を提供してあげて、未来の豊かさをイメージさせてあげれば、人はモノを購入するのですよ。
30分という短い時間ではありますが、実験なども交えて解説したいと思います。
——なるほど。Webマーケティングの手法には人間心理を巧みに利用した手法が使われているというお話ですね。今の時代は正しくアピールするということをしないと良い物を作っても売れないですからね。
ただ、一方でWebの世界では、人を欺いて儲けてやろうという一部の悪質なサイトなども存在します。昨年は大手のメディアがそれをやっていて社会問題になったこともあります。
そのため、一部の方のイメージとして、WordPressやアフィリエイトは怪しいものだという認識をされてしまっている部分もあると思います。染谷さんは正しいWebビジネス、マーケティングと現在問題になっている一部のキュレーションメディアの線引きをどのようなにお考えでしょうか。
染谷:僕は「志」の有無だと思っています。言葉には人を操るパワーがあります。だからこそその力を行使する「人」が重要なんです。
商品/サービスが大好き。
人が喜ぶことが大好き。
顧客(仲間)の未来を豊かにしたい。
自信を持って商品やサービスを薦められる。
読み手のためにと思って発信した「志」が感じられる情報は、必ず誰かの役に立ちます。
逆に
自分が稼ぎたい。
自分が豊かになりたい。
自分の名声を高めたい。
商品やサービスを売ることで自分の価値を証明したい。
といった、「我」に満ちた発信は誰の得にもなりません。
WordPressやアフィリエイトは単なるシステムであって、使い手の想いによって良くも悪くも使えます。包丁も一緒です。料理人が使えばお客を幸福にしますし、残念ながら凶器にもなります。要は利用者のモラルなのですよね。
——今年は多数のWordPressやブログ、アフィリエイトに関する本を執筆・監修されているということですが、本を執筆する上ではそのようなことも意識されているのですか。
染谷:僕が書籍を執筆・監修する際に特に意識しているのが、読み手にどんな価値を提供できるかという点です。
この本を購入する人は未経験者なのか、初心者なのか、中級者なのか。読者が理解できる言葉は何か。読み終わった後、行動したくなるかどうか。
読み手によって情報を受け取れる量は変わります。専門用語を多用して100の情報を詰め込んだとしても、読み手が1しか理解できなければその書籍の価値は1です。具体性やわかりやすさや手順を重視した結果、10しか情報を入れられなかったとしても、読み手がその10すべてを理解してくれれば、読み手にとっての書籍の価値は10です。
このように、情報を届けたい層の理解度をイメージしながら書籍を執筆しています。単に自分の知識や経験をひけらかしても意味が無いんです。それは「我」なんですよね。
——WordPressとアフィリエイトは相性がいいとお考えですか。
染谷:良いと思います。
最近のWordPressはインストールも簡単になりました。ブログを作るにも、しっかりとしたウェブサイトを作成するのも可能で、初心者から上級者まで安心して利用できます。
運営者は記事を書いたり、商材を選んだりすることに集中できるので、時間を有効に使えます。5~6年前と比べて、導入のハードルは大きく下がったと思います。当時はインストールだけで数時間かかっていましたが、今ではワンクリックでOKですからね。
とはいっても、先程も述べた通り、WordPressもアフィリエイトも単なるシステムなので、使い手の想いやスキルによって変動はすると思います。
——これからWordPressでブログやアフィリエイトサイト運営をされるという方にメッセージをお願い致します。
染谷:ブログやウェブサイトの運営は、「はじめる」ということと「継続する」ということが重要な要素です。まず一歩踏み出してみましょう。はじめなければ、なにも変わりません。
そして楽しみながら続けましょう。残念ながらブログを書き始めてすぐに結果が出る人はいません。みんな、数ヶ月、数年と運営し、文章力や技術力を高め、ファンを増やすことでアクセス数や収益額を伸ばしています。
独りでコツコツやることも大切です。でも同じ方向を向いている仲間と一緒に活動することで、継続のモチベーションを維持することもできます。同じ方向を向いた仲間を増やすには、興味のあるジャンルの勉強会やイベントに参加するのが一番です。
そう、WordCampはそんな場ですよ!
——そうですね、私もWordCampのそんな側面に惹かれています。
本日は染谷さんの思いを伺えるという貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
セッションの情報を半分以上伺ってしまったのではないかと恐縮しておりますが、ブログを運営する方には、ぜひ生で聴講したい内容ですよね。
WordCamp Tokyo 2017に参加するためにはチケットが必要なので、まだ参加登録が済んでいない方は、チケットのページからご購入ください。